

インチナットの寸法は、ねじの呼び径d、1インチ当たりの山数TPI、ピッチP、六角対辺sを分けて確認します。ウィットねじはねじ山角度55°で、下表の対辺は工具が掛かる向かい合った平面間の寸法です。呼び径そのものではありません。
下表は、トップ工業の対辺表とアンカーツールの「JIS B 1181-1985抜粋」にある山数を対応させた公開表の例です。ピッチはP=25.4÷TPIで求め、小数第3位に丸めています。1985年の抜粋表を、現在規格の全文や全製品共通の寸法表とは扱いません。
| ねじの呼びd(インチ) | 山数TPI(山/inch) | ピッチP(約mm) | 六角対辺s(mm) |
|---|---|---|---|
| W1/8 | 40 | 0.635 | 6 |
| W3/16 | 24 | 1.058 | 8 |
| W1/4 | 20 | 1.270 | 10 |
| W5/16 | 18 | 1.411 | 14 |
| W3/8 | 16 | 1.588 | 17 |
| W7/16 | 14 | 1.814 | 19 |
| W1/2 | 12 | 2.117 | 21 |
| W5/8 | 11 | 2.309 | 26 |
| W3/4 | 10 | 2.540 | 32 |
| W1 | 8 | 3.175 | 41 |
六角ナットの対辺と、ねじの山数は別項目です。例えば1/4インチの呼び径換算は25.4×1/4=6.35mmですが、W1/4のピッチは25.4÷20=1.27mmです。3/8インチの径換算9.525mmも、ピッチではありません。
発注時はウィットねじの記号と呼びを指定し、俗称や工具サイズだけで判断しないでください。
出典:トップ工業 ボルト・ナット対辺寸法表、アンカーツール「ナット規格表・JIS B 1181-1985抜粋」。

ユニファイねじのねじ山角度は60°です。代表的な並目のUNC、細目のUNFを区別しますが、ユニファイねじがこの2種類だけという意味ではありません。機械や設備に使う場合も、製造国ではなく指定規格と製品図を確認します。
下表は由良産商のハンドブック印刷ページ102にある、ASME/ANSI B18.2.2抜粋のHex Nuts(フィニッシュ六角ナット)を対象としています。Fは対辺寸法です。mm欄は基準インチ値×25.4の換算値で、実測値や許容差の最大値ではありません。
| ねじの呼び(インチ) | UNC山数(山/inch) | UNF山数(山/inch) | 対辺F基準(インチ) | F基準のmm換算 |
|---|---|---|---|---|
| 1/4 | 20 | 28 | 7/16 | 11.1125 |
| 5/16 | 18 | 24 | 1/2 | 12.7000 |
| 3/8 | 16 | 24 | 9/16 | 14.2875 |
| 7/16 | 14 | 20 | 11/16 | 17.4625 |
| 1/2 | 13 | 20 | 3/4 | 19.0500 |
| 5/8 | 11 | 18 | 15/16 | 23.8125 |
| 3/4 | 10 | 16 | 1-1/8 | 28.5750 |
| 1 | 8 | 12 | 1-1/2 | 38.1000 |
例えば1/4のF基準7/16インチは11.1125mmに換算されますが、同資料のF最大値11.125mm・最小値10.871mmは別欄です。また、同じ1/2でもHeavy Hex Nuts(ヘビー六角ナット)はF基準7/8インチ、最大22.225mm・最小21.590mmで、フィニッシュ形とは異なります。
UNC・UNFの山数に加え、ナット形状と寸法許容差を確認してください。UNFという指定だけで、ゆるみ止め性能が保証されるわけではありません。
出典:由良産商「六角ナット規格表・ユニファイ」(PDF、印刷ページ102)。

対辺寸法はスパナなどの工具選定に使う寸法で、ねじ規格の判定値ではありません。同じ呼び径でも、ウィットとユニファイ、フィニッシュとヘビーで対辺が異なります。
| 規格・呼びの例 | ねじの呼び径換算(mm) | 山数TPI | ピッチP(約mm) | 対辺の掲載例 |
|---|---|---|---|---|
| W1/2 | 12.7 | 12 | 2.117 | 21mm |
| UNC1/2・フィニッシュ | 12.7 | 13 | 1.954 | F基準3/4インチ |
| UNF1/2・フィニッシュ | 12.7 | 20 | 1.270 | F基準3/4インチ |
W3/8とUNC3/8は、呼び径換算9.525mm、16山、ピッチ1.5875mmが一致しますが、ねじ山角度は55°と60°で異なります。同じ径・山数だから交換できるとは扱わず、規格指定を確認してください。
電気設備などの保守でも、対辺からねじ径を逆算せず、部品表とねじ寸法を照合します。インチ工具のサイズ表示と、ねじのインチ呼びも区別してください。
ねじ角度・山数・インチ換算の出典:富田螺子「インチねじ規格表」。対辺は前掲のトップ工業・由良産商の各表に対応する例です。

インチねじの採用は、用途名や国産・輸入の区別だけで決めません。設計図、機器の部品表、メーカー図を確認し、ねじ規格、呼び径、山数またはピッチ、ねじ山角度、ナット形状、強度区分、表面処理を照合してください。
改修で規格が不明な場合は、表示と資料を確認し、必要に応じて寸法測定や適切なゲージで判定します。現物へ無理にねじ込んで試す方法は避け、不明点は機器・締結部品のメーカーに確認してください。
配管用のねじと、ボルト・ナット用のウィットねじも同一の製品規格とは扱いません。接続用途に対応する指定を確認し、対辺や呼び径が近いという理由で置き換えないでください。締付トルクや強度の適合は、採用部品と締結部の仕様で別に確認します。

JISの現在の名称は「日本産業規格」です。工業規格の関連解説を参照する場合も、JIS規格の番号・版と製品形式を確認してください。ナットの1種・2種・3種には形状や厚さの違いがあり、インチナットにもフィニッシュ・ヘビーなどの形式差があります。
| 呼び | アンカーツールの1985年抜粋表 | トップ工業の六角ボルト・ナット欄 |
|---|---|---|
| M10 | 並目P1.5mm/対辺s17mm | 二面幅16(17)mm |
| M12 | 並目P1.75mm/対辺s19mm | 二面幅18(19)mm |
トップ工業は括弧内を「JIS B 1180付属書品の二面幅」と注記しています。資料の版や製品形式による違いがあるため、「M10は必ず17mm」と固定せず、採用品の寸法図を確認してください。
判別は刻印などの目視確認だけで終えず、必要に応じてノギスで対辺やボルト外径を測り、ピッチゲージや適切なねじゲージで確認します。対辺が同じでもねじの互換性を示しません。
図面と現物を照合し、電気設備などの交換部品は、指定された規格・形状・性能を確認して選定してください。
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